子供の身長と睡眠の深い関係性!日本人は寝不足民族
昔から「寝る子は育つ」という言葉がありますね。結論から言ってしまうと、とても深い関係があります。
もちろん睡眠だけが身長を伸ばすとは限りませんが、ここでは睡眠と身長の関係性を中心に書いていきます。
「うちの子夜更かしが多い!」と思ったあなたも、ここでもう一度睡眠の重要度を確認して、気を付けてみてくださいね。
1 なぜ睡眠と身長の関係が深いか
あなたは、22時~2時の間は睡眠のゴールデンタイムということを聞いたことありませんか?
なぜその時間がゴールデンタイムなのかというと
その時間に体内では、成長ホルモンが一番分泌されています。成長ホルモンは骨が伸びる軟骨部分(骨端軟骨)の細胞を増殖させて骨を伸ばす司令塔の役割があり、仮にいくら栄養を摂取したとしても成長ホルモンが出ないと骨は伸びてくれません。そのほか、休ませることで免疫を高め病気にかかりにくくし、昼間に学習したことを記憶として定着させます。身長を伸ばすのはもちろん、心身共に成長ホルモンの分泌が鍵を握るのです。
2 日本の子供の睡眠事情
現代の日本の子供たちは世界的に見ても超寝不足大国だそうです。世界の小学生の平均睡眠時間は9時間以上、特にフランスやイギリスの平均睡眠時間が10時間超えとなっています。それに対し現代の日本の小学生は平均8時間未満という結果が出ており、寝不足大国というのも頷けます。ちなみに1970年代の日本の小学生の平均睡眠時間は約9時間30分でした。原因としてTVやゲームなどの夜型の遊びや、習い事を遅くまで通ったりと、小学生が忙しくなったことも背景にあるのかもしれません。背を伸ばすのであれば生活習慣にも気を付けたいですね。
3 睡眠には2種類ある
あなたも一度はノンレム睡眠とレム睡眠という言葉を耳にしたことがあると思います。簡単には以下のような違いです。
ノンレム睡眠:深い睡眠状態で脳を休めている
レム睡眠:浅い睡眠状態で体を休めている
このノンレム睡眠とレム睡眠を90分から110分のサイクルで交互に入れ替わります。
特に成長ホルモンが分泌されているのはノンレム睡眠なので時間とともにいかに深く眠りにつけるかということも重要です。
4 どれくらいの時間が必要?
先ほど、日本人は睡眠不足という結果がありましたが、それぞれ年代別にどれくらい睡眠時間をとったほうがよいか、ご紹介しますので参考にしてみてください。
・年齢別理想の睡眠時間 | |
年齢 | 睡眠時間 |
1歳~1歳半 | 13時間~14時間 |
3歳 | 12時間 |
5歳 | 11時間 |
7歳 | 10時間30分 |
9歳 | 10時間 |
11歳 | 9時間30分 |
13歳 | 9時間15分 |
15歳 | 8時間45分 |
17歳 | 8時間15分 |
※3歳までは昼寝も含めた時間
未就学児では、時間数に加え、起こさなくても自分で起きるくらいの時間が理想です。
小学校低学年では、10時間前後の睡眠が理想です。この時期の成長ホルモン分泌量に比例して身長が伸びるので、しっかり睡眠を確保しましょう。
小学校高学年から中学生くらいの思春期は、一番身長が伸びる時期ですので、このチャンスを邪魔しないような睡眠が大切です。
高校生くらいであれば、時間が多少短くても、すっきりと目覚められるのなら問題ありません。
5 質の良い睡眠にするには
①パソコン・スマートフォン
太陽が沈み、夜になるとメラトニンというホルモンが脳の松果体から分泌されます。
メラトニンは体内リズムに関わっていて、分泌量が多くなると体が夜だと認識し眠くなります。
夜間のパソコンやテレビ、スマートフォンなど光の刺激はメラトニンの分泌を抑え、脳を興奮状態にし、眠くならないだけでなく、眠れても非常に浅い睡眠になってしまいます。夜になったら光や音などの刺激を抑え、ゆったりとした状態にしましょう。
②朝日を浴びる
朝すっきりと目覚め朝日を浴びることもとても重要なことです。朝日を浴びるとその日の活動スイッチを入れる役割のあるホルモンのセロトニンが分泌されます。このセロトニンの分泌量によってメラトニンの分泌量も比例するというデータが出ているので、朝きちんと学校へ行く時間に朝日を浴びることはとても良いことです。
③ストレス
ストレスと言っても様々な種類がありますが、例えば心配事があって夜眠れないなんて経験があなたにもあるかもしれません。お子さんは特に影響を受けやすいので、家が安らぎのある場所であることはもちろん、良かれと思ってお子さんにあれこれ言いすぎたり、常に緊張状態になるようなことがあれば、当然お子さんは寝付けません。なにかお子さんが不安を抱えていそうなら話を聞いてあげる、またはお子さんから話をしやすい環境を作ることもとても重要なので是非声をかけてあげましょう。
④運動
おすすめは日中太陽の陽を浴びながら運動することが良いですが、運動は程よい疲労をさせることで、深い眠りにつきやすくなります。また食欲も増進させるので栄養を取り込みやすくなり一挙両得です。
⑤昼寝
子供の昼寝はとても良いことです。大人でも20分程度の昼寝はそのあとの脳の活動が良くなると言われています。ただ、16時以降の夕寝はおすすめできません。夕方に寝てしまうと眠くならないので、布団に入っても寝付けず、朝起きられないなど悪循環にはまってしまいます。
家庭の事情もあり難しいことですが、もし眠くなってしまったら夕飯を早めに食べさせ、19時には寝かせ、そして朝5時に起こすという早寝早起きのリズムを付けるチャンスです。16時以降の夕寝は睡眠の質を下げることを覚えておきましょう。
⑥自律神経
自律神経は、活動中に働いている交感神経とリラックスしているときに働く副交感神経があり、この二つは対の働きをしています。スイッチのように切り替わりがうまくいかないと寝つきが悪い、眠りが浅い等の睡眠の質が悪くなってしまいます。
当然睡眠に入る時は副交感神経にスイッチがされるので、リラックスすることが大事になります。
例えばゆったりとストレッチやマッサージをしたり、お風呂に入り湯船(38℃から40℃のお湯)にしっかり浸かるなどリラックスできる時間を作りましょう。
⑦親自身も実践する
間違いなく子供は親の背中を見て育ちます。あなたがまず一番に健康的な生活をしていたらお子さんはどう思うでしょうか?必ず、自信をもって生活習慣の大切さを伝えられるはずです。
大人も睡眠が足りないとイライラしやすくなり、それを見た子供は気を使ったり、不安になって眠れないなど悪循環になってしまいます。
睡眠が十分とれているとポジティブになるというデータもあるので、お子さんとのコミュニケーションの一環にも是非一緒に実践をしてください。
6 まとめ
身長を伸ばすには、食事・睡眠・運動すべてのバランスですが、今回は身長と睡眠に絞ってご紹介してきました。
身長は寝ている間に伸びます。睡眠時間と睡眠の質を重要視して、カギを握る「成長ホルモン」の分泌をしっかりと促せる生活習慣をお子さんにも、あなたにも送ってほしいと思います。