身長は両親の遺伝がほとんど??
「頭のいい子になってほしい」「スタイルのいい子になってほしい」と親なら思いますよね。その一方で「遺伝や天性のものだからなぁ」と諦めていませんか?
現代では様々な分野の科学が発展し、どのように身長が伸びていき、どうすれば伸びるのかもわかってきています。先に答えをいってしまうと、知識さえしっかりしていれば子供は必ず大きくなる!ということです。
ここではその知識を習得していきましょう。
Contents
どの程度遺伝するか?
背の伸びに関して、遺伝が関与する部分も当然あります。一般的に病院でその子の最終身長を予測するときには両親の身長をもとに割り出す計算式があります。
男の子=父の身長+母の身長÷2+6.5
女の子=父の身長+母の身長÷2-6.5
となります。ご自身に当てはめてみると結構誤差があることが気付けると思います。
ある研究結果では、遺伝そのものの影響は25~30%で遺伝以外の様々な要因がからみ、身長の高さが決まることが分かっています。遺伝的要素だけでは実際のところ判断できないということです。
ターニングポイント
4歳までの身長
生まれてから4歳までが先天異常や病気でない限り、一生のうちで一番身長が伸びます。
この期間によく食べた子が大きくなりますが、ミルクを飲んでも吐き出してしまう、離乳食をあまり食べなかった、喘息などの疾患を持っている子は食が細くなることが多いので背が小さくなってしまうことがあります。
4歳までに生じた平均身長の差はそのまま最終身長に反映するので、これまでにどのくらい大きくなるかが重要なのでとにかくよく食べさせること。これに尽きます。
大切なのは“思春期前”
ほとんどの方が思春期に身長が一気に伸びると想像しているかと思いますが、思春期前の4歳から思春期を迎えるまでの期間がどのくらい続くかが重要です。
4歳を過ぎると思春期前まで一年で5~6cm伸びていきますが、思春期を迎えると1年間に8~9cm、人によっては10cm以上伸びることもあります。この急激に伸びる期間が2年続き、翌年から4~5cm→2cm→1cmと半減しやがて止まります。
思春期の5年間で平均25cm伸びるという結果がでているので思春期が始まる前にどれだけ伸ばせるかどうかと、思春期がいつ始まるかによって、最終身長は大きくかわることを覚えておいてください。
※身長の伸びにはパターンがあり早く取り組むことが大切
ここまでを簡単にまとめると
①4歳までの身長が、そのまま最終身長に影響する。
②少食の子が影響を受けやすい
③思春期の開始が早いほど身長は早く止まる。
①の4歳までの身長は単純に食べた量によりますが、4歳の子に無理やり食べさせたりすることはできず、まわりの大人がいくら頑張ってもなかなか難しいものです。しかし②も少食は思春期前まで続く可能性が高く、③の思春期まで早める傾向にあります。なぜかというと、子孫を残すために組み込まれたプログラムが関係しています。栄養が足りないと、脳が「長く生きられないかもしれない」と早く大人になるために準備をして思春期を早めてしまうのです。だからと言って肥満になるのも体が大きくなったと判断し、成長を止めてしまうので問題ですが、少食で痩せている子には悪循環を繰り返さないためにもできることをすぐ始めましょう。
ターニングポイントへのアプローチ
4歳までは食事量を意識して本能にまかせることしかできないですが、問題の思春期まで何をするか?というところをみていきましょう。
4歳から思春期が始まるまで(学童期)
とにかくこの時期も食べる量が大事になります。意外と多い事としてはご両親が食育や栄養のバランスを考えて色々なものを食べさせようとした結果、子供からすると「嫌いなものを押し付けられている」と食事自体がストレスになっていることがあります。好きなものでもいいので、タンパク質に特化させて食べさせることで甲状腺ホルモン、成長ホルモンなど骨の成長を促す原料になり、背を伸ばすのに必要不可欠な栄養素です。
もし栄養のバランスが気になるのであればサプリメントで上手に補いましょう。
この学童期に伸びが悪くなった場合、食べる量とストレスだけ解除しただけでも身長が伸びます。4歳までにあまり伸びなかった子はここで追いついておきたいところですが、周りも伸びているのでそれを上回るペースで伸ばすことになります。そのまま何も施さないでいると変化なく進んでしまうので、背を伸ばすのに最も有効なのは「アルギニン」であるとわかっています。アルギニンについては思春期でも出てきますので、後程説明いたします。
思春期が始まったら
明らかに第二次性徴の兆しが出てきたら思春期を遅らせる薬を使うこともできますが、リスクを伴うのと成功率が20%~40%と高くないのでもう一つの方法をとることをお勧めします。
身長を伸ばす最大限の環境、すなわち食事・睡眠・心のケアを重点に置き、さらにアルギニン、グリシンを積極的に摂取して思春期の身長の伸びを加速させる方法です。
つまり、思春期の身長の伸びが年間平均7~8cmのところを10cmにするということです。
無理をして思春期の開始を遅らせるより、自然な伸びを最大限に出すほうが、結果的に伸びが良いことが分かっています。
※アルギニンについて
骨に「伸びろー」と命令を出している成長ホルモンが出ていないと「内分泌不全性低身長症」という病気を持っていると診断されます。その検査として、病院ではアルギニンを投与した後の採血で血液中に成長ホルモンが出ているかどうかで判断をします。
通常は、アルギニンを投与すると、脳下垂体から成長ホルモンが必ず出ます。つまりアルギニンをたくさん摂取すれば、成長ホルモンの分泌を高めることができます。
伸ばすのに必要推奨量は純粋なアルギニンを一回6グラムで、寝る2時間前くらいに摂取することで、寝ている間の成長ホルモン分泌が促進されます。病院でもこれだけで伸び率が一気に改善されていることが多く、現在はアルギニンを主体としたサプリメントもたくさんあるので上手に利用し意識的に摂取することをお勧めします。
いまからできることをすぐに実践すること
子供の背が伸びていく、それぞれの時期に応じて最大の伸び率を確保できるようにすることがキーになります。ストレス、少食などのマイナス要因が重なれば当然低くなりますし、うまく環境が作れれば予想身長を超えることができます。
「もう手遅れかもしれない」になる前に一日一日を積み重ねていきましょう。